You are currently viewing ハーグ条約に基づく子の返還事件 — よくある質問
  1. 私たち夫婦は日本人ですが、イギリスで生活しています。私は子供を連れて日本に帰りたいと希望していますが、相手は反対です。私が相手の同意を得ずに日本に子供と帰国した場合、日本人同士でもハーグ条約の問題になりますか。

    (答え)日本人同士でもハーグ条約の問題になります。
    (説明)ハーグ条約に基づく子の返還は、当事者の国籍は関係なく適用されます。子が住んでいた国(常居所地といいます)から国境を越えて子が連れ去られた場合で(同じ国の中での移動は対象ではありません)、子の常居所地国と子が連れ去られた国がどちらもハーグ条約に加盟している場合には、ハーグ条約の問題になります。

  2. ハーグ条約では子を元の国に返還しなければならないとされていますが、子供は連れ去られた親(Leaving Behind Parent=LBP)のところに返還しなければならないのでしょうか。

    (答え)裁判では、子供を常居所地国に返還せよという命令が出ますが、LBPに返還せよと命じられるのではありません。
    (説明)判決で命令されるのは、例えば「子をアメリカ合衆国に返還せよ」など、常居所地国への返還です。返還の場合には、子供をLBPの元に返還することも選択肢の一つになりますが、子供と一緒にTPも常居所地国に戻ることが多多いと思われ、子とTPはLBPと別居して、常居所地国で夫婦の問題や子の監護に関する問題を解決をすることが多いようです。

  3. 子供を連れて日本に帰国したいと思っていますが、相手が反対しています。帰国する前にどのような準備をすべきでしょうか。

    (答え)帰国することがどのような結果に至るかについて、専門家である日本の弁護士に相談することをお勧めします。
    (説明)このようなご相談を受けたときは、帰国を希望されている理由を聞き、それらの理由が返還裁判においてどのような意味を持つか(返還を拒否する事由に当たるのか)について助言しています。 仮に、相談者がどうしても日本に帰国したいという希望がある場合、常居所地国でできる限り証拠収集をして帰国することを助言します。例えば、暴力が問題になっている場合、医師の診断書や現地のDVセンターでの面談記録、当事者間の会話の録音などを持ち帰るように勧めます。